はるまきパタパタ

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化学的掃除術4 酢酸とまとめ

本エントリーは、C94で頒布した「化学的掃除術」のブログ版です。

注意・免責

掃除対象やお使いの器具によっては、適さない場合があります。実践する場合は、必ず機器の説明書を読むなどして、問題がないことを確認してください。
また、掃除の際は必ず手袋や保護メガネ等の身体保護具を着用して実施してください。

紹介した掃除手法を実践する場合は、安全に注意し自己責任の下で行ってください。事故が発生し読者又は第三者に損害が生じた場合であっても、筆者は損害賠償その他一切の責任を負担致しません。

酢酸の使い方

氷酢酸とは

酢酸は読んで時のごとく、お酢に含まれている酸です。とはいえ、食酢に含まれているのは5%程度です。
100%に近い酢酸は、15℃程度で固体になるため氷酢酸と呼ばれています。
食品添加物としても使用されるため(そもそも食品に入ってる)、洗剤として使用した場合でも比較的安全です。

どうして効くの?

酢酸水溶液は、石鹸カスや水垢などの汚れを落とすのに適しています。

石鹸カスは、石鹸に含まれる脂肪酸ナトリウムと水に含まれるミネラル分であるカルシウムやマグネシウムが反応してできるものです。
これらは金属石鹸と呼ばれ、水にとけません。
石鹸カスにはもう一種類あります。石鹸が汚れを落とすためには、石鹸成分に十分な濃度が必要です。
この濃度が薄い状態では、俗に酸性石鹸と呼ばれる、ネバネバした石鹸カスができます。

水垢の成分は、同じく水に含まれるカルシウムやマグネシウムが、空気中の二酸化炭素と反応して炭酸マグネシウムや炭酸カルシウムになったものです。
これらは水にまったくと言っていいほど溶けないので、こびりついて汚れになります。

金属石鹸や酸性石鹸、水垢は水には溶けませんが、酸と反応して化学反応を起こし水に溶けるようになります。
そのため、酢酸を始めとした酸性の薬品で汚れを取り除くことができます。

購入方法

危ない薬品ではないので、普通に購入できます。
薬局に行けば「氷酢酸」として売っていることがありますが、売れ筋商品ではないので、通販が確実です。

米酢などの食酢にも酢酸が含まれているので掃除に使えないことはありません。
ただし、酢酸以外の成分( 旨味成分とか) が残留してカビの原因になってしまうので、純度の高い氷酢酸を購入して使うことをおすすめします。

安全対策

水酸化ナトリウムと比較して安全ですが、しっかり防護はしてください。

酢酸は揮発性があり、常温でも少しづつ蒸発します。
この蒸気には引火性がある(燃える)ので、火気に近いところで取り扱ってはいけません。
希釈していない状態では火気厳禁です。

酸性の薬品になるので、塩素系( 漂白剤等) の洗剤・薬品と混ぜてはいけません。
有毒な塩素ガスが発生して危険です。
また、酸に弱い素材(大理石など)の掃除には使用できません。溶けます。

使い方

97g の水に、3g の氷酢酸を混ぜた水溶液(3wt%) を使うのが基本です。
だいたい市販の食酢の濃度がこれくらいです。

シンクまわりの水垢

水垢が気になるところに酢酸とキッチンペーパーを使ってパックします。
気になる箇所にキッチンペーパーを当て、酢酸でキッチンペーパーを濡らします。
乾かないようにその上からラップを貼り付けて完了です。

パックを6時間ほど続けます。時間がかかるので、外出時に準備しておくと良いです。
外出の前に仕掛けておき、帰宅したあとで軽く擦って終わりです。
メラミンスポンジか、割り箸などでこするとよく落ちます。

ラップをしても酢酸の匂いがきついので、出かける前に軽く窓を開けるか、換気扇を回しておきましょう。

まな板の殺菌

よく洗ったまな板に、薄い酢酸(1% ) の希釈液を霧吹きなどで吹付け、そのあと拭き取るか洗い流します。
酢酸は食品に付いても安心なので、キッチンの他の場所の除菌にもつかえます。
専用の霧吹きを用意しておくと楽。

便器

落とせない水垢や尿石は、酢酸で掃除をします。
汚れが気になったら酢酸パックをしましょう。
トイレットペーパーを使って、外出前にパックをします。
蓋をして、換気扇を回していくのを忘れないようにしてください。
帰宅時にブラシや割り箸でこすって流して終わり。

その他の使い方

カビ退治や、エアコンの臭い取りなんかもできます。
カビに使う場合は、色まで落ちないので漂白剤と併用してください。(ただし、混ぜるな危険)

まとめ

強い洗剤をつかった掃除を、少しだけ紹介しました。もちろんこれが全てではありません。
ここは?こんな場所は?というのがあれば、コメントいただければと思います。

繰り返しになりますが、使い方には十分注意してくだい。
それでは、楽しい掃除ライフを。